私は以前から、地域の中での子どもや高齢者が安心して過ごせる居場所づくりに関心を持っていました。その中でも子ども食堂の活動は「食を通じて人と人がつながる場所として注目されており、いつか実際に現場を見てみたいと感じていました。
そんな中で出会ったのが、平塚市で活動する「ひばり野の仲間たち」です。地域の方々が協力し、子どもたちに温かい食事と居場所を提供する団体です。現在は、「キッチンひばり野」と「キッチンとよファーム」の2箇所で活動しています。
今回は、そのうちの「キッチンとよファーム」にお邪魔し、代表の大畑さんにお話を伺いました。
ひばり野のなかま達とは?
平塚市で活動する「ひばり野のなかま達」は、地域の方々から寄付された食材を使い、温かい食事を提供しています。子ども(学生)は100円、シニアは200円、大人は300円で利用でき、誰でも気軽に立ち寄れるのが魅力です。子どもから高齢者までが集まり、家庭のような温かさの中でご飯と交流を楽しめる場所です。目的は、次世代を担う子どもたちの環境づくり、地域交流、そして高齢者の生きがいづくり、まさに、地域みんなで支える共生の食卓です。

地域・こども食堂が開設される日に可愛いのぼり旗が掲げられます。
地域の温かさを感じる「キッチンとよファーム」
取材に伺った日は、特に子どもの参加が多く、20名近くが集まっていました。子どもたちだけで来る子もいれば、保護者と一緒に訪れる子もいます。ボランティアの方々が笑顔で子どもたちとお話をしたり、優しく声をかけたりしている姿が印象的でした。
食事が始まると、あちこちから「美味しい!」「おかわり!」と笑顔の声が広がり、テーブルを囲む子どもたちの楽しそうな表情が場を明るくしていました。食堂全体が温かい雰囲気に包まれていました。
活動を支えているのは、地域の有志や、シニアの方々です。中には80代の方も活躍し、料理や片付け、子どもたちの話し相手としても場を盛り上げています。初めてくる子でも自然と笑顔になれる、まるで「もうひとつの家族」のような雰囲気でした。
共働き家庭や、ひとり親世帯の保護者にとっても、安心して子どもを預けられる場所となっています。

今日の献立や作り方、担当者・作業内容が分かりやすく掲示されています。

美味しそうなご飯!子どもたちは、ほぼ完食です!
地域の恵みで支える手づくりの食卓
食材は、地元の農家や市民の方々からの寄付で賄われています。代表の大畑さんを中心に、届いた野菜を見てその日の献立を決めているそうです。
「メニューは届いた食材次第。足りないものは買い足して、できる範囲で工夫をしています」と大畑さんは話してくれました。
オーブンがなく限られた調理環境の中で、スタッフが協力して温かい家庭料理を作り上げています。また、食品ロスを減らす工夫もされていて、余った野菜は、冷凍したり、大根は切り干し大根にしたり、レタスなど冷凍できないものは持ち帰ってもらうなど、無駄のない仕組みを実践しています。
以前は盛り付け形式だった食事も、今ではビュッフェ形式に変更。子どもたちが自分で食べられる量を選べるようになり、残飯が減るだけでなく、食への意識や自立心も育っています。

地域のボランティアの皆さんが協力し合って、食事をつくります。
学びとふれあいが集まる時間
「ひばり野のなかま達」では食事の提供だけでなく、学習支援も行なっています。定年退職された先生が宿題や勉強を教えたりしています。勉強の合間には、ドッジボールやバトミントンなどで遊ぶ時間もあり、学校とは違うリラックスした雰囲気の中で子どもたちはのびのびと過ごしています。
子どもたちだけではなく、シニアの方々にとっても生きがいの場になっており、「介護予防にもつながっている」とスタッフは語ります。
ボランティア募集中!
現在「ひばり野のなかま達」では一緒に活動してくれる仲間を募集しています。調理や配膳、学習サポート、子どもとの交流など、できる範囲での参加が可能です。「子どもが好き」「地域に貢献したい」そんな思いを持つ方を歓迎しています。
募集は、ひらつか市民活動センターや小学校でのチラシ配布、回覧板などで呼びかけ中です。
地域を支える温かい活動に、あなたも参加してみませんか?
取材を終えて
今回の取材を通して、「子ども食堂」は単に食事を提供する場ではなく、人と人が支え合う温かいコミュニティであることを実感しました。
そこには、子どもを見守る大人の優しさと、地域を支える思いやりの輪があります。「ひばりの野のなかま達」は、まさに地域の心を繋ぐ場所でした。子どもたちが笑顔で過ごし、大人も生きがいを見つけられる。そんな居場所がこれからも広がっていけばいいなと感じました。
今回の取材に協力してくださった大畑さん、スタッフの皆様ありがとうございました。とても貴重な経験になりました。
作成日 令和7年11月 東海大学政治経済学部2年江島
