不法投棄の場から蘇った「自然遊びの聖地 馬入水辺の楽校」

​今回取材に訪れた「馬入水辺の楽校」がある場所は、かつては駐車場や不法投棄の場となっていました。しかし、「川の自然と触れ合える場づくりを図ろう」という目標のもと、市民と行政との協働活動によって自然環境の復元が進められてきました。25年が経過した今では、多くの生き物が集う豊かな自然環境へと生まれ変わっています。

​この再生への取り組みを支えているのが、「NPO法人暮らし・つながる森里川海(湘南いきもの楽校)」の地道な活動です。記者が現地を訪れて最も心に響いたのは、単に自然環境を保護・保全するだけでなく、市民と共に自然と触れ合える活動を多角的に展開されていることでした。

竹林整備が育む創造力

​活動の象徴的な取り組みのひとつが、「トトロの迷路」と呼ばれている竹林の維持管理活動です。竹林は放置しておくと繁茂し、枯れるなどして環境を悪化させてしまいます。そこで会員の皆さんは定期的に竹林を整備されており、その場所を「トトロの迷路」として環境学習活動に利活用されています。

​特に面白いと感じたのは、整備で伐採した竹を「隠れ家づくり」というプログラムで活用されている点です。ファミリーでの参加者を中心に、アメリカ先住民の住居「ティピー」が次々と手作りされ、活気ある空間が作り出されていました。そこにはノコギリ作業や竹の枝落とし、ロープワークなど、現代の子どもたちが日常では経験することのできない作業がたくさん詰まっていました。

世代を超えた取り組み

​活動の場には、子どもたちから高齢者まで実に多様な世代が参加されていました。隠れ家づくりを通じた交流からは、この馬入水辺の楽校を愛する皆さんの実直な思いが伝わってきます。こうした光景は、環境保護活動の枠を超え、人々の暮らしを豊かにする「地域づくり」へと昇華しているのだと感じました。

 

今後の展望と課題

​今後の課題は、人と人、人と自然が触れ合うこの素晴らしい環境をいかに持続していくかという点にあります。市民参加の拡大や後継者の育成、そして企業や行政との連携強化も、活動を次世代へつなぐための大きなテーマです。

​自然と触れ合うことで、人と自然の関係を見つめ直す。今回の取材は、こうした取り組みがこれからの地域社会において、いかに大きな役割を担っていくものであるかを、改めて実感する体験となりました。

 

作成者:東海大学建築都市学部土木工学科3年 武田 慶汰、福永 悠斗

Share