平塚の市境を巡る「大神」編
平塚の市境とは、平塚市とお隣の市の境目のことです。市境は川、道路や山の稜線などで区切るのが一般的だと思うのですが、地図を眺めているととても不思議なところで区切られていたり、市境の形が面白いことに気づきました。そこで平塚市のユニークな市境を巡ってみることにしました。
今回は、平塚市の北部に位置する「大神」地区に着目し、レポートします。
歓喜のハンドサイン
オリンピック、サッカーのW杯、野球などの優勝シーンでは選手が抱き合って、「やったあ!」「優勝だ~」「一番よ!」「我々がNo.1」と喜びあいます。たゆまぬ努力と、あきらめない心で厳しい戦いを勝ち抜いた者たちの心からの喜びには感動させられます。選手皆が手を空に突き上げNo.1のハンドサインで嬉しさを表現します。
このハンドサインに似た形を平塚の地図に見つけてしまいました。
上の地図は平塚全体を表した地図です。平塚の北部の「大神」地区は、北は厚木市、東は相模川をはさんで海老名市、西は伊勢原市と隣接する市境に位置します。
No.1を目指す人の聖地
いかがでしょう? 歓喜のNo.1 ハンドサインの手の形に似ていませんか?
もう少しズームアップしてみましょう。
上の地図の市境を太線で描いてみると、No.1のハンドサインですよ。人差し指を伸ばして「ここがNo.1の聖地」と鼓舞しているように見えませんか?なにか縁起のいいものを感じるような気がしませんか?そして人差し指は“真北”を指しています。遥かかなたには北極点、そのまた遥か天空には北極星が輝きます。大きなパワーが降り注いでいるように思われます。
運動会のリレーで一番になりたい。野球大会で優勝したい。コンテストでNo.1になりたい。などNo.1を目指す人はそのパワーを浴びにスポットを訪れてください。
では、そのパワースポットに行ってみましょう。
聖地の人差し指まで散策に出かけよう。
平塚駅北口を出て、「バスターミナル「6番」のり場から「本厚木駅 南口」行きに乗ります。乗ること約30分。「戸田」バス停にて下車。バスのゆき去る方向に向いて右手・東側に相模川にかかる「戸沢橋」。
左手・西側が伊勢原・秦野方面です。西の伊勢原方面を歩きます。5分ほど歩くと「戸田」の交差点に差し掛かります。現在、立体交差の工事の真最中。左角の牛丼「松屋」を左手に更に伊勢原方面に歩きます。
梨園がありました。黄色い袋がかぶせられていて、秋には袋がはちきれるほど実が育つことでしょう。
水田の稲も育っています。眼に心地よい緑色に心も癒されます。
パワースポットに到着
「戸田」の交差点から歩くこと10分。少し大きな交差点さしかかります。右斜め前方に下の写真の「神奈川県防災センター」の訓練塔が見えます。まさに訓練をしていました。当日は30度を超す暑い日にもかかわらず訓練に励む姿を見て「こういう人達に守られているんだな」と感謝しました。
その対角にある下の写真の場所が、No.1のハンドサインの人差し指の爪先にあたります。ここが「No.1を目指す人」のホットスポットです。
私も「ぜひ、No.1になれますように」と祈りを込めてポーズを決めてみました。
人差し指の周りを散策してみましょう。
No.1を表す人差し指の周りを歩いてみましょう。
市境は普通は道路などで区切るものと思っていました。ですが、下の写真のように左手側が平塚市。右手側が厚木市です。お隣同士で市が違うユニークな場所です。
それを証明するように、足元には市境を表す標識のプレートがありました。プレートの大きさは、5㎝×5㎝。皆さんも見たことがあるのではないでしょうか?
もっと、不思議なことには市境が建物を貫いていることです。上の写真の足元の市境の標識からすれば右手側が平塚市、左手側が厚木市です。建物は両市にまたがって建てられています。不思議です。
中指側を歩いてみましょう。
中指側に「笠張川」が流れています。笠張川は農業用水路で大神の田畑を潤わせ、その先は桜まつりで有名な渋田川と合流します。
下の写真の笠張川をはさんで右側は厚木市。左側が平塚市です。平塚側の堤に桜並木が見事です。近くの畑で作業していた方にお尋ねしたところ、春の桜の見ごろには満開の桜を見物に人が来るそうです。
今は葉桜ですが、春には見事な桜並木が眺められそうな気がしました。
【ツインシティー計画】で大きく変わる「大神」地区
「戸田」の交差点から国道129号線を南に移動してみましょう。ハンドサインの手の甲側にあたります。厚木市から平塚市に入った大神地区北部は平地が続きます。
この平地が新しいまちづくりで大きく変わろうとしています。
ツインシティーとは、大神地区と相模川をはさんだ寒川町とを橋で結び両地区を一体化した環境共生モデル都市計画です。その大神地区ではすでに工事が進められています。
大神の公民館に寄ったところ自治会の関係者が前日に公民館前の広場で行われた夏祭りの跡片付けをしていました。この広場で行う夏祭りも今年が最後だそうで、来年からこの広場は道路工事が始まるそうです。
平塚の北の玄関口として発展していくのと、昔ながらの風景が変わっていくのを見ると複雑な心持がします。
でも、また違う場所でたくましく育つと信じます。
変わらないNo.1の聖地
変わりつつある大神地区ですが、ハンドサインのNO.1は変わりません。「真北」を指さすのも何かを暗示するような。やはり聖地に違いないと感じます。
是非、何かのNo.1を目指す人は訪問しに来てください。
ライターの独り言
私は、大神の地図を見て「No.1のハンドサイン」をイメージしましたが近くの葡萄園のおじさんは「ピストルみたいな形をしている」と言っていました。やはりこの市境はユニークなんですね。仲間がいてホッとしました。記事担当:清水浩三