女性ならではの細やかなおもてなし
市民外交も果たした「平塚パワーズ」
10月12日に、平塚市西部福祉会館にてJICA(国際協力機構)の研修会が開催されました。
今回研修に参加された方は、フイリピン、ミャンマー、スリランカ、バングラディシュ
メキシコの5か国から9名が参加されました。
「ジェンダーと多様性からの災害リスク削減」をテーマに平塚研修では、「女性防災クラブ平塚パワーズ」を講師に研修されました。その模様をフォトストーリーにまとめました。ご覧ください。
今回の研修の背景
2015年3月に開催された「第3回国連防災世界会議」で「仙台防災枠組み2015-2020」が採択された。
その枠組みのポイントは
・より人間を中心にした予防的アプローチが不可欠
・女性、子ども、青年、障害者などへの包括的なリスク削減の取り組みの必要
・女性が能力を発揮できるように、女性のリーダーシップ能力の向上の必要性
が謳われた。日本政府は「仙台防災協力イニシアティブ」を発表。その具体的施策として「防災における女性のリーダーシップ推進研修」の実施を表明した。
JICAは政府のイニシアティブを受けて、2016年からアジア7か国から防災の意思決定者を日本に招いた。以降は課題別研修として、アジア以外に、中東、中南米に範囲を広げ研修プログラム実施してきた。今回は第3回目の実施で、約2週間全国で研修が開催される。
平塚での研修内容
テーマ「女性リーダーによる地域防災活動の実例」
狙い:女性グループによるコミュニティー防災の実践的な中身を知り、その活動の中での工夫や課題について理解する
研修風景
1.ご挨拶
平塚パワーズのメンバー全員が参加者を前に自己紹介からスタート
その時に、会長の菅野さんから英語に翻訳された「防災・減災パワーズハンドブック」の紹介がありました。
ハンドブックは参加者全員に配られました。
英語に翻訳されたハンドブック
2. 活動内容の実例紹介 その1
非常時の調理方法—パッククッキング
ビニールパックを使用して、鍋のお湯でお米を炊いたり、野菜を茹でたりする様子を見学です。今回は、平塚地場産のお米「はるみ」と野菜のポトフの調理をお見せしました。
3. 河野外務大臣からのビデオメッセージの紹介
平塚パワーズとも親交深い、河野外務大臣からのメッセージが紹介されました。
4. 昼食
先ほどの野菜のポトフも加えて、はるみ米のごはん、野菜の天ぷら、日本ならではの塩昆布、油揚げでお稲荷さんをその場で作って振る舞いました。
短い時間でしたが、「おいしい」といってくれました。
5. 活動内容の実例紹介 その2
身近にあるモノで作る防災用グッズの紹介
ダンボールトイレ 防災頭巾、Gパンリュックの作り方を紹介。
6. 活動内容の実例紹介 その3
身近なモノで応急手当の仕方
先ずは、パワーズのメンバーが手本を実演。
参加者が、パワーズのメンバー相手に体験。メンバーとマンツーマンで教えてもらっています。
参加者のとても熱心なのと、なんとかわかってもらいたいと身振り手振りで教えるパワーズのメンバーの声で研修室が賑やかになってきました。
7. 活動内容の実例紹介 その4
ポリ袋でつくるレインコート
デモ用に、カラーのポリ袋を使用しています。
全員で記念写真です。けっこう盛り上がりました。このレインコートもお土産にお持ち帰りいただきました。
女性ならではの、細やかな演出とおもてなしの数々
今回の研修では、平塚パワーズの方々のアイデアと細やかなおもてなしが沢山みられました。
平塚パワーズのメンバーが描いた、ウエルカムボード
小田原提灯とはるみ米の稲穂。それと秋の味覚の柿を添えて、日本の季節を感じさせる生け花。
左から、コースター、独楽、爪楊枝入れ。これは折り紙でつくられています。パワーズのメンバーが折りました。でもこれは今回のお土産用だけではなく、りっぱな防災用グッズです。
災害時での、避難生活は過酷です。その日常に少しでも潤いを持ってもらおうと考えられた折り紙作りです。
これは、女性ならではのアイデアではないでしょうか。
研修講師だけでなく、りっぱに市民外交を果たした「平塚パワーズ」
研修が終了して、バスでお帰りになるみなさんをお見送りしました。
最後まで、心のこもったおもてなしで、立派に市民外交の役目を果たしたと感じました。
平塚パワーズの皆さん、お疲れ様でした。
研修に参加された方々の感想です。
・「平塚パワーズ」という団体だったけど、本当にすごいパワーだった。
・平時から地道な防災意識向上の活動を行っていることから日本の防災力が高いと思った。
・地域の活動をしている団体が大臣ともつながっていることで意思決定者に女性が積極的に防災活動に関わる重要性を伝えられるので素晴らしい取り組みをされていると思った。
記事担当:清水浩三