6種類のボランティアを手掛けるエネルギーの源は「地域愛」
親子代々 平塚市根坂間住まい
木村美江子さん
私は10年間、女性防災クラブ平塚パワーズでボランティア活動をしています。
木村さんとはパワーズでの先輩後輩の間柄で、ものすごく一緒にいる時間が長い人です。木村さんは「女性防災クラブ平塚パワーズ (会長)」「河内川あじさいの会(副会長)」「国際交流協会」「アイラブピース」「美化推進委員」「平塚商工会女性部企画委員」の6つのボランティア活動を手掛けています。地域活動をするためのエネルギーは何処から生まれてくるのかという事を、2回にわたってインタビューという形でお聞きしました。
女性防災クラブ平塚パワーズのメンバーで記念撮影。木村さんの右隣にいるのが私(菅野)です。これからも健康が続く限り木村さんと一緒に防災・減災活動を続けていきたいと思っています。
女性防災クラブ平塚パワーズ考案の災害時に役立つ「段ボールトイレ」の作り方を説明する木村さん。この段ボールトイレは東日本大震災の時に多いに役立ったと言われています。
1回目のインタビューは、まつり太鼓が風にのって聞こえてくる木村さんのご自宅の縁側に座り、お話しを伺いました。
「お祭りは大切な行事。父が宮総代(世話人)をしていた時は神主さんのお世話や、地域の皆さんと料理作りもしたわ。地域の行事には、そこの土地ならではの物があるのよ。それを守っていくことはとても意味があると思う」
「そういえば昔、夏休みに子供達はお寺さんで一日中過ごしたのよ。おやつをもらってね。幼稚園なんてなかったもの。だって親たちは農家の仕事で忙しいから」
昔は、お寺さんや神社さんが地域活動の中心になっていたことを話していただきました。
地域活動の場は今や公民館や福祉村、活動する人もボランティア団体などと変わりました。
木村美江子さんを動かすエネルギーは、四季の暦に沿って受け継がれてきた風習を継続する「地域愛」ではないでしょうか。
次世代の担い手を育てる
2回目のインタビューは、木村美江子さんと「あじさいまつり」が終わり来年の花のために剪定された河内川沿いを夕日を顔に受けて散歩がてらお話を伺いました。今回は、木村さんが参加している6つのボランティアのうちのひとつ「河内川あじさいの会」での活動の中から「河内川生きものしらべ」をご紹介させていただきます。
菅野「今日は、河内川生きものしらべについお聞きします。新聞に載りましたね」
木村「神奈川新聞に詳しく載せてくれたのが嬉しい。あじさいの会発足時からの目的の一つとして、子どもたちが中に入って遊べる川にしたいと思っていました。多くの人と関わりながら川が綺麗になり、10年位前から人が中に入っても安心な状態になりました。でもね、今でも子どもたちが川に入る前にクリーン作戦をします。
そうすると、自転車やタイヤなど色々な物が川に捨てられているのよ。だから神奈川新聞に子どもたちが楽しんでいる様子を書いてくれれば、川に投棄する人も少なくなると思うの。」
2016年のクリーン大作戦の様子。草を刈り、ゴミを拾い環境美化を図ります。
2016年のクリーン大作戦で出てきたゴミの山です。悲しいことに自転車・バイク・消火器などの不法投棄がありました。
菅野「河内川での活動はアジサイの花を咲かせるだけではないんですね」
木村「あじさいまつりを行うために下草刈りをします。そしてお祭りが終わると剪定をし、クリーン大作戦で川のゴミをさらいます。そして近隣の小学校・中学校にポスターを持参して「生き物しらべ」への参加をお願いしてきます。今回は150人を超える参加をいただき嬉しかったですね。
私たちの活動は全部の行事が関わり合いながら動いているの。だから人と人が年代や立場を超えて地域とかかわれる場作りが生まれてくるんだと思います。」
菅野「木村さんは、話しながらずっと雑草を抜いたりゴミを拾ったりしていますね。」
木村「気になるのよ。道を歩いていてもゴミを拾っちゃうの。あんたも一緒に雑草を抜いて頂戴!」
何事も実際に行動すること。よいと思ったら突き進む力。人と人を結び動かす力。自然に湧き上がってくるこのエネルギーが、これからの地域を切り拓くのではないでしょうか。
木村さんの子供の頃には、この川で泳げた話を聞きながらそして勿論雑草を抜きながらの帰り道になりました。
2017年のあじさいまつりです。綺麗に咲いたアジサイを見ながら川沿いを散策して楽しめるのは、木村さんをはじめ地域の人々の地道な努力があってこそです。
記事担当:菅野由美子