第10回目を迎えた「ひらつか地域づくり市民大学」講座。本年は平塚市政施行90周年の記念事業として開催しています。今年度はひらつか市民活動センターの会場を拠点に、大神公民館、富士見公民館、松ヶ丘公民館の3つの公民館をオンラインで繋ぎます。各会場は、地域活動の実践者や福祉村で活動している方々が参加され、意見交換等を通しての交流も期待されます。
10月23日(日)の開講日には、平塚落合市長にお越しいただき、冒頭、「地域課題解決のヒントになり、未来に向けたまちづくりに生かしてほしい」と、ご挨拶をいただきました。
各会場総勢51名の方々にご参加いただきました。
その後、今年度のひらつか地域づくり市民大学講座を始める前に簡単なガイダンスを行いました。
「平塚市の人口は、20年後生産年齢は▲30%、30年後は高齢者総数も減少が予想されます。
これまでの市民大学からの知見と今回のテーマは、
・様々な世代の人たちの「思い」を「かたち」に
・「行動」に「思い」を紡ぎ
・「知恵」を出しながら創りあげていく、としました。
(「仕組みづくり」とは→地域の資産を増やす。)
基調講座を皮切りに、実践講座を3回実施する予定です。
実践講座①・・・地域の力で支えあいの仕組みをつくる
実践講座②・・・地域の人や資源を活かしてまちを磨く
実践講座③・・・新しい地域づくりの一歩を踏み出すために
実践講座では、地域で困っている人を生み出さない仕組みを大切だと思える人たちを増やす活動を具体的事例として、地域での取り組みの方向について学びます。
基調講座「~誰一人取り残さない共生社会の実現に向けて~」
講師に、豊中市社会福祉協議会事務局長 勝部麗子氏をお迎えし、コミュニティソーシャルワーカーが支える住民主体の地域活動の事例を通して学びました。
↑ 勝部先生には豊中市からオンラインでご講演をいただきました。
住民に身近な地域での取り組みとして
- 校区福祉委員会
- 豊中あぐり(新たな担い手の育成)
- 福祉なんでも相談窓口(地域福祉の活動拠点)
- CSW(コミュニケーションソーシャルワーカー)
*③④は制度の狭間に関する縦割りの解消を目指す。相談は「断らない相談」が基本。
・・・排除しない地域づくり
地域共生社会への新たなステップ
- 人も取りこぼさない
- 排除から包括へ
- 支えられた人が支える人に(学習支援など)
- すべての人に居場所と役割を
一人も取りこぼさない早期発見・アウトリーチの必要性
措置から契約へと福祉制度が大きく変化し、SOSを出せない人、サービス拒否者はつながらない。
・・・民生委員による早期発見・住民による見守り・多機関との連携による早期発見
早期発見には高齢者の緊急時見守りネットワークなど
一人も取りこぼさない・・・・具体例
・ローラー作戦による見守り゚マップ作り
・マンションサミット交流会
・安心キットの配布による掘り起こし
その他、
・生活困窮者支援
・外国人向け相談
・家を失った人たちへのアウトリーチ
豊中のライフセーフネットの仕組み
市民・福祉なんでも相談窓口
・CSWが一体となり情報提供、相談、支援を行う
・・・地域福祉ネットワーク会議/地域包括ケアシステム総合推進会議とも連携する。
その他の取り組み
- 学校区での助け合い(日頃の見守り・・災害時に効果)/校区福祉委員会活動(子育てサロン・空き家サロン等)
- 定年後の男性の都市型農業でまちづくり・・・移動販売
- 高齢者問題でまちづくり(すべての人に居場所と役割)・・・介護予防/協議体/福祉便利屋/買い物支援
- マンション防災・・・マンションサミット/避難訓練/学生ボランティア登録
- 子供支援でまちづくり・・・子ども居場所づくり地域福祉モデル事業
- 引きこもり支援でまちづくり・・・支えられていた人が支え手に変わる
コロナ禍の影響でこれまでの手法が通用しなくなったが、集まらなくてもつながる手法を模索し、実践する。
勝部さんの実践的な取り組みは、まさに「誰一人取り残さない」の言葉通りで、各会場から感嘆の声が聞こえてきました。
↑大神公民館の様子
↑富士見公民館の様子
↑ 松ヶ丘公民館の様子
↑ 市民活動センターの様子
参加者アンケートから(一部抜粋)
・勝部先生のご活躍がすばらしく、少しは役に立てたら良いと思いました。真似はできないな、と?
・町内会という枠を超えて活動していくことの大切さを理解しました。
・豊中市での活動を学び、若者を取り込む企画や組織について知ることができた。何か街と関わりたいと思っても場所がなく、何ができるのかもわからない人も多いと思うので、平塚でもこのようなボランティアが増えたらよいなと感じました。
・「理想の形」の一言です。私の地区の各種団体は活動もそれぞれです。横のつながりのきっかけや方法、進め方などもっと沢山お話しをお聞きしたいと思いました。子どもたちへの呼びかけや取り込み、ひきこもりを外に出す事なども含めて。
・人と人とのつながり、ボランティアの仕方など色々話を聞きそんなに出来る知りうらやましく思いました。同時に出来ることは限りなくむずかしい気持ちはあるのです。次にむけて参考になりました。ありがとうございました。
以下は講義及びWSのグラフィックファシリテーションの図です。
講座の振り返りにご活用ください。
次回は、11月20日(日)13:30~15:30
3件の地域活動の先駆的な取り組みについてご紹介いたします。
2022年11月17日記