第3回ひらつか地域づくり市民大学が、昨年(H27)11月7日に修了しましたが
もう少し詳しく聞きたかった、深い話や苦労話も聞きたいという受講生の声を反映し、今回のような座談会の開催となりました。企画は湘南NPOSCと地域づくりサポーターズ。サポーターズの皆さんにとっては初めての企画です。
さて、第1回目は、元松原地区自治会連合会長、現松原地区ネットワーク推進委員会会長の猪脵さんです。若くして自治会長を経験した猪脵さんは、その後地域の推薦を経て松原地区自治会連合会長になります。地域活動の経験も浅く、ましてや諸先輩方々が居並ぶ中で重責を担うことになり当初は不安がいっぱいだったと話します。連合会は7つの自治会を束ねる組織ですが、その他に地域活動団体がいくつもありその代表のいずれもが重鎮と言われる方々、何とも心細かったのではないかと思われます。
しかし、そのような中、地域の皆さんにとって必要な取り組みをいくつも展開してきました。
ー広域避難所と指定されている小学校に防犯灯がないー
万が一地震や大きな災害が起きた場合、地域の方々が最初に避難してくるのが小学校。でもなぜ真っ暗なの?高齢の方も増えており足元の不安な方が多いのに、これは問題だ。と、早速、市や教育委員会に相談し、防犯灯の設置にこぎつけました。管理は自治会、設置場所は小学校校庭、省エネを基本にLED照明・風力発電を備え、携帯やスマホも充電できるそうです。その防犯灯のお値段はなんと150万、しかしー住民の皆さんの大きな賛同を得て設置にいたったそうです。今では地域のシンボルとして住民を見守ってくれています。
ー自治会専用の回覧掲示板の撤去と設置ー
あるアパートの玄関横に何十年もにわたって設置されていた掲示板。そのアパートが新築されることになったのに伴い、掲示板が通路を塞ぐため他の場所へ動かすことになりました。が、回覧で呼びかけても役員に相談しても代替え地が見つからず、途方に暮れていたところ、地域づくり市民大学でであったI公民館長さんに相談。するとI館長が「設置する場所がなければ撤去してしまえばいいんだよ。どうしてもー掲示板が必要ならいずれ住民から声がかかる。」との言葉に従い、早速撤去したそうです。数日後、あの掲示板はどこへ行ったの?という声がどちらともなく聞こえてきたので、経緯を説明したところ、心ある住民の一人が自分の敷地に設置してもいいよ、と。何日も悩んでいたことが嘘のように新しい場所へ掲示板が設置されました。
ー花いっぱい運動ー
隣町は道路の両側にプランターが置かれ季節ごとにきれいな花が咲いていて目を楽しませてくれる。どうして松原はないのか?という住民の声。聞けば何年も前から自治会長が変わるたびに花植えをお願いしていたのに、誰も聞いてくれなかった、という。そこで早速市へ相談に行き、どうしたら花を植えられるだろうか?と聞いたところ、手続きの方法を教えてもらい、いくつかの担当課に申請書を提出、住民自ら花植えを行う、という約束があることを地域に説明。住民や中学生を巻き込んで花植えの活動が始まったそうです。
ーできることからー
3日間開催されていた盆踊り大会を1日に。イベント用の机やごみの看板はみんなで修理。回覧物は、時候のあいさつや体調を慮る文章を入れ内容によって文字の大きさやフォントを変える。他にもいくつか紹介していただきましたが、どれも地域への愛着をうかがわせるものばかりでした。できることをやっていくうちに住民の理解が進むのでは?とおっしゃっています。
ークインテッド(五重奏)会議ー
地域づくり市民大学で登壇した5人衆(連合自治会長・町内福祉村村長・地区社会福祉協議会会長・公民館館長・ネットワーク推進委員会会長)は、市民大学をきっかけに地域づくりの担い手を考えようとクインテッド(五重奏)会議を立ち上げ、毎月会合と飲み会♪を開催しているそうです。
ー透明性と公開性・アンテナを高く・フットワークを軽くー
猪脵さんは、改革とかそんなんじゃなくて、ただ住民の声を拾い上げただけ、自治会が元気に活動していることがわかれば地域全体が元気になる。活動を知ってもらい協力してもらうには、何をするか何をしたかについてキチンと数字を示して公開することで透明性が出る。地域の方が何を望んでいるかいつもアンテナを高く張っていることが大事。自分がやりたいと思ったことをやるのではなく、住民がやってほしいと思うことをやる、秘訣は住民から気軽に声をかけてもらえるように気を配ることかもしれない。と、これまでの活動を振り返って説明してくれました。
その後は参加者の皆さんと座談会。それぞれが抱える悩みをざっくばらんに話し合いながら、情報交換を行いました。地域ごとに取り組み方には違いがあり、なるほど!へぇ、そうなんですが?どうすればできるのか?なぜ我が地域はできないのか?ぜひ我が地域でも取り入れてみたい、など様々な意見が飛び交い、あっという間の3時間でした。
座談会に参加した方々も地域で活動している方が多かったですが、いくつか感想をご紹介します。
・大変勉強になりました。松原地区がどのように地域自治を保たれているのか知ることができました。
・地域のもつ期待や希望、また課題など生の声を伺えたと思います。
・他の地域の取り組みを知ることができて良かったです。など。。。
下の絵は、座談会の最中に参加者の瀬戸さんが、ササっと描いてくれた漫画です。こんなふうに漫画にすることで、回覧物に目を通してくれるかも?というご提案です。こんな回覧もステキですね!ありがとうございました。
さて、次回は1月30日(土)13:30〜16:30
ゲストスピーカーは、やわた子ども村の高橋村長さんと事務局の田中さん・高橋さんの3名です。
子どもは地域の宝、子どもたちを守れるのは地域の私たちとおっしゃる子ども村の皆さん。
10年以上にわたる活動の裏話や継続の秘訣を教えていただきます。
参加ご希望の方は⇒070-6662-2455へ。