2月20日(水)は、以前より注目していた相模原市東林間駅付近にある「PIECE」へ行ってきました。
生活保護世帯の子ども・若者に対する支援の充実を図るため、
モデル事業として東林間商店街の空き店舗を活用し、対象者の居場所(拠点)となっています。
ここは1階の店舗スペースに事務窓口と憩いの場所(こたつがあって家庭的な雰囲気を醸し出しています)、
2階は6畳間が勉強の場、そしてキッチンがあります。
この日は21歳の若者が元教員の方に勉強を教えてもらっていました。
「PIECE」は、①安心して過ごせる環境(ベースキャンプ)の運営
②若者の生活自立支援 ③高校生を対象とした学習会の実施
④高校中退者等へ学びなおし学習会等の実施
⑤将来の就職を見据えた支援や訓練の場の提供
⑥セミナー等の開催 ⑦就労支援 を行っています。
お話をしてくださった担当の杉山さんは、心の成長が遅く、自己肯定感の弱い子どもには
周りの大人が温かい目で支えてあげることが必要と語ります。
こうした子どもたちの支援をするスタッフの姿勢も素晴らしいと感じましたが、
市(南区の生活支援課)の担当者が、熱心に取り組んでくれることで
ここまで順調に進むことができたとのこと。
やはり行政が真剣に考えて、一緒にかかわってくれたことが大きいと話してくれました。
運営方法や資金や人事についても細かく教えてくださり、とても参考になりました。
1時間ほど「PIECE」にお邪魔して、その後は橋本まで足を延ばし
さがみはらパーソナルセンター(PSC)、さがみはら若者サポートステーション(サポステ)へと行ってきました。
PSCでは、担当の伊藤さんにお話を伺いました。(伊藤さんには日頃からいろいろお世話になっています)
様々な社会参加をめざす、若年層とその家族を主な対象とし、必要に応じて一人ひとりが必要とする制度・機関や
プログラムに同行してつなげます。就労・就学等、一人ひとりの状況に応じた
「にんげんワンストップサービス」が主な活動です。
利用者は18歳くらいから40歳、50歳、と年齢層も幅広く、その支援方法も一様ではありません。
本人の自立を進める上では、中小企業さん、商店さんなどとの連携も必要です。
ボランティア活動や短期就労などをきっかけに社会へ旅立つよう後押しをしています。
伊藤さんは、利用者さんの性格などを考慮して活動先を探し、現地へ同行します。
PSCを後にして次は、サポステへ。
そろそろ働きたいと考えだしている、どこの相談に行っていいのかわからず困っている、
仕事に就いても長続きせずにすぐにやめてしまう・・・
サポステは働きたいのに働けない若者の最初の一歩を支えるための総合相談センターです。
この日は高校とのパイプ役をなさっているという織田さんにお話を伺ってきました。
社会に出る前の学びなおしが必要な若者が多く、サードプレイスになっているとのこと。
心の相談や進路相談、しごと体験、就職セミナーなど様々な事業を展開しています。
これらの事業を運営しているのは、NPO法人文化学習協同ネットワークさんです。
東京の三鷹を本拠地に相模原でも発展的な活動をしています。
皆さん、大変お忙しい中、活動内容を詳しくご説明してくださいました。
また、私たちの質問にも丁寧に答えてくださり、本当にありがとうございました。
私たちの住む街でも、このような事業を行うことができれば、
若者の自立と社会参加が進み、未来に希望が持てるようになると思います。
ここに一つの記事を掲載します。
「孤立無業」
SNEP(スネップ、孤立無業者)とは「Solitary Non-Employed Persons」の略。
20〜59歳の在学中ではない無職の未婚者で、関わりを持つ人が家族以外に一切いない人のこととされており、
その数は増加している。無職あるいや不完全雇用、また、社会的孤立といったSNEPの各分野が拡大しているように見えるが、
東京大学の最近の調査で、2011年には、職に就かず、かつ、家族以外の人々との接触がほとんどない人々が
162万人に達したことが明らかになり、特に懸念されている。
これは、国内の未婚で無職の256万人の約60%にも相当する。
玄田有史・東大教授のグループが17日までにまとめた。
景気低迷に伴う就職難やリストラなどが響き、06年(112万人)と比べて4割強増えた。
職探し中の孤立無業者は半数にとどまり、事態改善に向けた動きは鈍い。
玄田教授は「孤立に陥ると職探しへの意欲が失われがちだ。
今は家族が支えても将来、経済的に厳しい状況に陥る」と指摘。生活保護費など社会保障費の増加を抑えるためにも、
訪問支援など政府や自治体による対策が急務だと訴えている。 日本リアルタイムより
このような問題は、放置しておくことはできない緊急の課題です。
社会全体が考えていかなければ、この国の将来はないといっても過言ではないでしょう。
当会へ時々やってくる若者たちのこれから先の人生を思うと、なんとかしなければなりません。