新宿から中央線の電車に乗って1時間
神奈川県北西部に位置する森と湖のまち、藤野町。
相模湖に隣接する小高い丘の上に「里山長屋暮らし」というコンセプトで
4世帯が協力して「持続可能な暮らし」をはじめています。
昨日、そこへ訪ねていき「トランジション藤野」代表の榎本さんに
詳しいお話を伺ってきました。
トランジションタウンって皆さんご存知だろうか?
イギリスの市民運動 パーマカルチャー講師であるロブ・ホプキンス氏が
2006年イギリス南部トットネスで始めた運動であるが
「市民が自らの創造力を発揮しながら、地域の底力を高めるための実践的な提案活動」をいう。
いわゆる石油などの持続不可能なエネルギーに過度に依存した社会から
できるだけ化石燃料を使わない、できるだけ自給自足を実現し、できるだけみんなで共有し、
都会でも、地方でも、田舎でも、どこでもできる持続可能な暮らし方をしようというものである。
ここは志を共有した4件の家族が住宅をシェアし、長屋暮らしの良さを見直しながら生活している。
そしてここの地域の方々や様々な団体と連携し、地域内循環の仕組み、
地域通貨よろづやの活用、藤野電力の立ち上げ、お百姓クラブの運営・・・と
まさに地域自治を自らの手で行っている、また自発的に行おうとしている地域である。
このプロジェクトは藤野地域100名以上の住民が参加しているが、活動方針が緩やかなのが特徴だ。
誰でも参加できる、会費はいらない、自らテーマを出してもよし、
やりたい人がやりたい時にやりたいことをやりたいだけやる、というのが基本。
自発的に動く、ボランティアの基本がそこにはある。
そして
・エネルギー問題を切り口に
・地域資源に焦点を充てる
・地域住民の主体性と創造性を引き出す
・資源を最大限活用し、有機的につなげる
・頭(Head)、こころ(Heart)、身体(Hands)の「3H」のバランスをとる
・よりよい未来を描き、その実現は十分可能であると信じ、楽しみながら取り組む、等々が
地域自治が上手にすすんでいる秘訣なのだと感じた。
生活そのものにビジョン・ミッションがあり、さりとて決して押しつけがましくなく
地域のことは地域で、自分たちのことは自分たちでやる、という姿勢が
本来市民がそこに暮らす上で、担うべき役割なのだと改めて考えさせられた。
新しい公共の考え方とも共通する、市民が担うこと、行政がやるべきこと、議会の役割は
こうした実践活動から学ぶことが大いにあると感じた。
4件が約2年の月日をかけて話し合い、土を練り木を削ってつくった長屋
この日は法政大学の社会学ゼミの学生も参加、一緒にワークを行った。