2018年5月31日、初のインタビューをさせて頂きました。

外国人の私にとって、今回紹介するお店は、日本伝統的な技術、日本の匠の魅力がいっぱいで、近くで触れたい意欲を強く感じる場所でした。私が選んだ店は平塚駅近くの明石町にある「だるまや京染本店」です。ドキドキの中で、初のインタビューのストーリーがこれから展開していきます。

 

◆だるまや京染本店の歴史

「だるまや京染本店」は150年ほどの歴史を持ち、昔ながらの洗い張り技術で日本の伝統的な民族衣装「着物」を洗う専門店です。東京で発祥し、明治44年(1911年)に3代目が東海道の宿場町として栄えた平塚に移転して、平塚での歴史が107年になりました。今回、快く私のインタビューを受けてくださったのは6代目の八木賢一さんです。伝統文化のお店ですが、思いのほか、若い経営者で驚きました。

◆伝統的な魅力――洗い張り技術

貴重品である着物はどうやって洗うのか?一回しか着物を着たことがない私にとって、洗い方が謎でしたが、八木さんの詳しい説明と見学体験で、謎を解けました。

 

洗い張りの作業は事前確認、解く、端縫い、洗う、乾かす、つなぎ直す、伸子張り、のり入れ、乾かす、湯のし、仕上げの10ステップです。すべて専門用語ですが、体験することで、ぞれぞれのステップを深く理解できました。簡単に言うと、着物を4種2枚にバラバラにして、反物の形に縫って、専用洗剤で洗って、乾かし、伸子で生地を張って、のり入れて、仕上げします。

伸子張り

のり入れ

湯のし

店裏の洗い場と、湯のし、伸子張り等の作業を見学できます。特に印象深い体験は伸子張りでした。伸子(しんし)は両端に針が付いた竹の細い棒です。

 

伸子

八木さんから教わった通り、張った38cm×650cmの反物に伸子を2cm間隔で一本一本丁寧に生地の裏側に張りました。すごく時間かかる作業でした。初めての人だと2時間半はかかる作業です。また茹でた布のり(海藻)をのりとして、張った生地の表面に入れました。これはのり入れ手作業です。丸洗いが一般的な現在、丁寧な手作業で洗っていることに感動しました。匠の精神を垣間見ました。

 

伸子張り体験

 

伸子張り体験

 

のりの原材料――布のり(海藻)

 

布のりを茹でた後の出汁――のり

 

◆伝統とITが出会った

6代目の八木さんは、写真の通り、とてもお若い方でした。NTTで4年間勤めたあと、伝統文化継承と家族のため、事業を継ぎました。それから10年経ち、八木さんはすでに伝統文化の継承者の顔立ちです。

八木さんは事業を継ぐ際に、伝統的な店は、ほとんどネットを使って発信できていないことに気づきました。宣伝が不十分な状態でした。そこで、現状を変えようと、自分の前職のウェブの技術を活かし、3カ月かけ、洗い張り技術を学びながら顧客目線で「だるまや京染本店」ホームページを作りました。そうして従来になかった伝統+ITの新しいお店が出来上がりました。それにより危機的だった経営は徐々に回復し、売上を伸ばすことができました。

八木さんのホームページ制作のポリシーは、自身がお店の伝統技術を学ぶ過程を赤裸々にホームページで書き、顧客目線で技術発信をすることで、共感を呼び、新規顧客の獲得を目指しています。

 

◆八木さんの平塚に対する思いと願い

お世話になっている平塚に対して、八木さんは平塚駅北口から八幡宮大門通付近のエリアで、各店舗の皆さんの売上が上がることを望んでいます。その実現に向け、2年前からまちゼミに積極的に参加しています。各店舗の強みを顧客に再認識していただき、顧客が喜び、売上利益が上がるwin-win戦略を立て、活性化できるようにアドバイスしあい、役に立てたらと、話してくださいました。

 

◆リポートを終えての感想

店の強み、伝統技術+現代技術の組み合わせ、現代の手段で伝統を守り、宣伝することができるでしょう。

八木さんのような若者が増えれば、伝統を伝承することができ、伝統的な技術が無くならないでしょう。現代技術で伝統技術を守ることは若者の役割ではないでしょうか。

 

◆謝辞

インタビューを快く受けてくださった、だるまや京染本店 6代目の八木賢一さん、一緒にリポートに協力して頂いた湘南NPOサポートセンターの氏家真美さん、清水浩三さんに感謝申し上げます。

 

「だるまや京染本店」の情報

[住所]〒254-0042 神奈川県平塚市明石町5−7

JR東海道線「平塚駅」北口より徒歩7分

[営業時間] 9:00〜18:30(水曜定休日)

[サイト] https://www.darumaya-gofuku.jp/

 

ライター:郭 鑒(カク カン)