野宿者支援団体「平塚パトロール」は平塚市内の野宿者に向けて第1木曜日・第4日曜日のパトロールを行なっている。

平塚パトロールは2000年に活動を開始した。(以下平パトと表記)

1990年代、平成の大不況から、路上で生活する野宿者(ホームレス)の姿が増え、2000年の「ホームレスの実態に関する全国調査」を国で行なった。これに参加した鎌倉パトロールの由良哲生さんを中心とし、平塚診療所 尚和のり子さん、実態調査に携わった大学教授らが、活動を開始した。県内3番目野宿者の数が101人の平塚の地で市民からこの事実に関する認識を高めたいという意思のもと始まった。活動当初は、横浜・東京・厚木をはじめとした市外からの参加者が中心で、市内在住者の参加が少ない現状であったが、現在は平塚市民中心の活動形態に変わっていった。

平パトの主な活動は、平塚にいる野宿者の元を回ることだ。野宿者たちはそれぞれ話をしたくない人、来るだけでも嫌な人、相談したい人、約2時間で回る先の人達は各々違う気持ちを持っている。パトロールを行なうときの心得は「私たちは彼らの生活にお邪魔している」という気持ちを持つことだ。皆の様子は見に行くけれど、彼らにとって余計なことは口には出さない。

実際の活動時には、由良さんが作成したビラを配布する。そこには、平パトが炊き出しを行なっている平塚バプテスト協会への地図と生活困難者に無料低額診療を行なっている社会福祉法人恩賜財団済生会の登録のある平塚診療所の地図が書かれている。また、もう一つのビラを配る意味は自分たちが何者なのかを紹介することである。

同時に、平塚バプテスト教会で牧師さんに認可を貰い、毎月炊き出しを行なっている。平パトのメンバー全員が、信仰者ではないため反対する意見もある。ただ、炊き出しの主旨を理解したうえで、野宿者のために活動を定期的に継続して行なうことができている。

炊き出しは「食」をする場所であり、「相談できる」場所でもある。今の生活から抜け出すために、自立支援や公的扶助を受けるには、まずどこの団体や窓口に相談すれば良いといった相談や、実際にソーシャルワーカーと野宿者との話のすれ違いを埋める役割を果たしている。

その他、年に一度、平塚市の担当部署である平塚市福祉部と意見交換会を開催し、平塚市ホームレス自立支援懇話会を行い、各関係機関とともに一メンバーとして参加し連携を行なっている。

平塚市の野宿者は101人から2018年には40人となり、現在、野宿者の数は減少傾向にある。今、社会に取り残された野宿者の悩みは深刻になっている。野宿の現状と精神的な病が併発し、社会復帰をしようとしても、立ち直れないといった実情が影を潜む。野宿者が家を持ち、生活を続けるために参加者にそれぞれの考えと想いが活動する姿から感じられる。

平塚パトロールの活動は、自分の普段の生活の中では見えているようで見えない生活を足で歩くことで見える化する。今の平塚の現状を「目で見て」、「耳で聞いて」、改めて見えてくる姿があるだろう。活動には誰もが参加できるため、希望する人は下記HPに記載されているメールアドレスに連絡をしてみてほしい。

平塚パトロール  hiratsukapt.blog83.fc2.com/

 

ライター:西上菜穂

※この記事は当法人が開催した「WEBライター養成講座」(全3回/5月29日・6月12日・6月19日)の受講生が、受講中に取材して記事にしたものです。