平塚市の七夕祭りでメインの竹飾りが並ぶ湘南スターモール商店街のはしっこに、譲渡型保護ねこカフェ「にじのはし」はあります。去年の11月にオープンして以来、お店の前を通るたびにずっと気になっていた場所です。6月上旬、同店を運営する株式会社ペットセレモニーウェイビーの井上充代表取締役を取材し、保護ねこの現状やお店の特徴を伺ってきました。

ベンチの右上に猫じゃらしがあるのが気になったのが、今回の取材のきっかけ

保護ねこカフェの現状

横浜や藤沢、鎌倉にも里親募集型や譲渡型の保護ねこカフェが多数あります。これらは、猫を個人などから受け入れ、猫の所有権はカフェにあります。しかし、「にじのはし」の猫たちは、保護活動をしている団体からのみ受け入れています。個人からの受け入れは現在していません。つまりボランティアに所有権があり、にじのはしは猫をお預かりしている形態になっています。この仕組みにしたことで、里親に引き取られるまで保護した猫の世話をし続けなければならないボランティアの負担軽減に役立っています。

カフェの中は猫ちゃんにちょうど良い温度と湿度に保たれ、適度に運動できるような仕掛けが設置されている

 

にじのはしのこだわり

にじのはしは井上さんをはじめ、4人で運営されています。お店では15頭前後の猫たちに出会う事ができます。他のカフェでは50頭くらいがひしめき合うようにして保護されている様子を見た井上さんが、より良い環境で猫達が過ごせるようにと決めた頭数です。

安心・安全のために、夜間は部屋の中にあるケージに猫達を入れます。そうすることで、何かの災害が起きた場合ケージごと速やかに避難できるからです。また、スタッフが毎朝健康状態を調べる際にもケージに入れてある事で、排泄物による一頭ごとのチェックを間違いなくこなせます。更に、月に一度市内の動物病院による往診も行っています。

一頭ごとにカルテが作られ猫ちゃんの性格やワクチンの接種状況など細かく記録されている

こうして大切にされている猫達ですが、中には保護されたばかりの時点で警戒心が強く攻撃的な猫もいます。それでもスタッフが根気強く接する事で徐々に人に慣れ、里親が決まっていくそうです。

触られるのを嫌がる猫ちゃんを慣らすために手作りした特製グッズについて語る井上さん

来店者は月に500人を超え、譲渡が成立した件数はオープンからの半年で50件を超えました。一時は猫不足の事態になりそうだったとか。そこで今では箱根・小田原・二宮・大磯・藤沢・横浜・相模原の保護猫活動団体からも猫を受け入れています。

店内の壁には譲渡先が決まった猫ちゃんの報告がずらりと並ぶ

 

ペットとの暮らしがもっと幸せになるために

にじのはしを運営しているペットセレモニーウェイビーは、名前の通りペットの葬儀を扱う会社です。現在、月に80件ほど需要があるとのことです。井上さんご自身が愛犬ウェイビーを看取った際に遺体を物のように扱われた経験から、ペットも丁寧に看取りたい想いではじめたそうです。そして今度は保護猫が幸せに暮らせる里親探しのお手伝いを始めたのが、にじのはしです。次の目標は老犬と老描の介護施設を作りたい、と目標を語っていました。

ライター:氏家 真美

※この記事は当法人が開催した「WEBライター養成講座」(全3回/5月29日・6月12日・6月19日)の受講生が、受講中に取材して記事にしたものです。