今年度の農福連携コーディネーター養成講座も3回目となり、座学講座の最終回を迎えました。最終回には平塚市内で農福連携に積極的に取り組んで成功を収めておられる「湘南小巻ファーム」(https://www.shonan-komakifarm.com/)代表の小巻秀任様と奥様を講師にお迎えして、農福連携の取り組みを始めたきっかけや得られた経済的なメリット、適している作物などの農家側から見た取り組みについて具体的なお話を伺うことができました。

【講師紹介】

湘南小巻ファーム代表の小巻様は当初、東京農業大学を出たあとサラリーマンとして外資系の企業で農薬の研究開発を行っていました。しかしその中で農薬を含めた現代農業のあり方に疑問を持ち、祖父から受け継いだ農地を使って農薬と化学肥料に頼らない農法を模索し始めました。
その中で全国各地を巡り、各地の農家さんから地域固有の「固定種」を譲り受けて、今では日本から消えつつある固定種を自家栽培して品種改良を進め、今では400種類以上の作物を栽培しています。

【講演内容】

講演では、

・私が農福連携を始めたきっかけ
・農福連携に適した作物とは
・私たちと福祉作業所や利用者さんの立ち位置
・農福連携のもたらした経済的効果
・利用者さんやスタッフさんのインタビュー
・農福連携で私たちが意識していること

などについて農家ならではの視点から見た農福連携の姿やメリットを語っていただきました。
中でも「農福連携を始めたきっかけ」では、新しくクレソン栽培を始めた時に人手が足りず、そんな時にたまたま出会った福祉施設の理事長と意気投合して農福連携を始めてみたところ、クレソンの出荷加工作業と障がい者の作業との相性がとてもいいことに気づいたと言います。
その中でひと口に障がい者といってもそれぞれの個人に特性があり、その人たちを束ねるスタッフさんたちのやり方から障がい者との付き合い方も学びました。
そして農家さんも気になる農福連携がもたらす経済的効果についても口頭ではありましたが細かな部分まで開示していただけたことで、これから農福連携を目指す農家さんにとっても励みになったようです。

【ワークショップ】

今回も講演後に参加者の皆さんによるワークショップを開催しました。
席の配置をシャッフルすることで前回のメンバーとは違った方々とも農福連携への思いや情報交換ができたようでしたが、今回も講師の小巻さんを始め平塚地区のコーディネーターの方々のご協力をいただいてより内容の濃いワークショップになりました。

 

【修了証授与式】

セミナー終了後には、3回の養成講座においてすべての課程を修了された参加者の方に修了証の授与が行われました。この課程を終了することで平塚地区の農福連携コーディネーターの申込資格を得られたことになります。セミナー当日にも9名の方からコーディネーターへのお申し込みがあり、今すぐに決断はできないが今後申し込んでみたいという方からたくさんのお申し込みがあることを期待しています。

【今後の予定】

11月中旬頃には平塚市内で農福連携に取り組んでおられる農家さんや福祉事業所を訪ねるスタディツアーを予定しています。昨今のコロナの感染拡大を受けて今後の予定に予断は許されませんが、日程が確定した際にはこの場をはじめ広報や各種媒体にて告知を図っていく予定ですのでどうぞお見逃しなきよう、よろしくお願いいたします。

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