令和2年度「ひらつか地域づくり市民大学」公開講座は、「自分たちの地域を見つめてみよう」をテーマに実施しました。(期日:11月21日(土))

 

本年度は新型コロナ禍での開催であり、万全な感染防止対応をすべく参加者の検温、マスク、アルコール消毒、ソーシャルデスタンス等を踏まえ、バーチャル/リアリティーのハイブリッド方式を試みました。

ひらつか市民活動センターに8名、市内各地区公民館から横内13名、城島10名、豊田10名、土屋7名、計48名に受講していただきました。

 

テーマとして、新型コロナとの共生・共存社会を見据えた持続可能な地域運営へのキックオフ並びに、これからの地域課題に対応した行事、組織の在り方を考えるキッカケづくりの場にすべく、公開講座・2回の実践講座(12/19、1/23)を予定しています。

 

昨年度に引き続き講師として(株)カントリーラボ 宮崎道名氏をお迎えし以下の講義をいただきました。

 

これから平塚市が抱える大きな2つの課題として

(1)人口減少:人口ピークは2010年26.8万で2040年22.1万に人口減少し、労働人口も1/4減少する。

(2)少子高齢化:子供の人数も25年間で約1万人が人口減少している。2030年で老齢人口が7万人を超えて高齢化が進み、要介護認定者が確実に増加、止められない現状にある。

 

そこで、何故地域づくりをしなければならないか?この課題は地方だけの問題ではなく都市部でも既に発生している現象である。ドイツ、アジアでも少子高齢化の定義は7%を超えると始まり、14%では高齢化であり、日本は既に高齢化が始まっている状況である。

 

今回の講座を通し生データで課題を可視化し、自分達で考え、決め、実行する住民自治を再構築する事の重要性を伝えていく。平塚市は少子高齢化が進み、後期高齢者が増加し、町内会では高齢者が活動の中心、独居世帯も増加、また働く世代の働き方も変わってきている。

 

また公共施設の老朽化も深刻で、築50年を経過したトンネルは20年後65%になる。下水道の維持費は予算に全て組み込まれておらず、30年以上経過しているものが約53%、15年後がピークになる。補修費用で毎年54億円をかけて修繕しているが、毎年約76億円不足している状況である。人口減少で税収入が減りその費用が出せない現状がある。

 

人口減少で生ずる現象をネットワーク数でみると、5人の時は10通りで4人の時は6通りとなり、ネットワーク数も激減する。よって、1人減ることでお金の流れやサービスが減りサービス業務にも影響し、暮らし方にも大きく影響することがわかる。関わる人が減少すると外につながる機会も減ってバラバラになり、力を集中させることが困難になってしまう。

従って、人口減少が暮らし、生活面へ大きく影響していることが理解できる。

将来平塚市の2025年の人口は、約1万人減って約24.3万人になると推定し、現在は高齢化率28.3%で全国平均よりは低い値にありまだまだ若い街である。しかし、確実に少子高齢化は進んでいる。

 

【平塚市地域毎の人口ピラミッドからの短評】

参加者の地域毎に人口構成グラフを用いて生データをプロットし、平塚市平均値における各地域の置かれている現状の可視化を行いました。(人口構造グラフ:横軸(高齢化率)、縦軸(18歳未満住居率)。このグラフで人口構造グラフは、若い人が同居/年寄りが少ない地区は左上部に位置し、若い人が同居少なく/年寄りが多い地区は右下部へ、ちょうど対象部位に年月と共に変化し4象限に散布される地区では全て基本的な打つ仕組みが異なってきます。このグラフから自分の地域が平塚市のどこの位置に存在するかが一目瞭然でした。

【これからの自治の進む、あるべく道】

(1)行事・活動ではなく事業へ、役割・運営ではなく経営への意識変革が重要である。例えばゴミ分別だけでなく、ごみで稼ぐ地域になる。また地域変化を見越して事業・組織の進化し、一方行政は要望を聞いての対応から事業・組織の経営支援へ変革する。

 

(2)分からない、悩んでいるは判断材料を探しているが見つかっていないか、判断の先送りのどちらか。決めないのも選択だが若者は確実に離れていく、修正しながらでも決めていけば生き残る確率は高まる。

 

これからは人口より課題が増加する時代、社会はこれまでと同じやり方では歯が立たないでしょう。気づかないふりが判断と行動をさらに遅らせることになります。その為、チャレンジする自治を目指し頭も、心も柔軟になることが大切ですね。

 

【参加者からの意見・感想】

(1)横内公民館…課題として高齢化、次の役員のなり手がいない。若い人が参入していない、行事も多く大変。システム的な組織運営で対応していきたいと思う。

 

(2)豊田公民館…宮崎講師が紹介した空き家の件で、家賃の設定は? 最低固定資産税は考慮するが、その地区で何をコンセプトで進めるかにより家賃設定することも。行政よりも地域活動主導で課題設定し、稼ぐ地域にすることが大切。

 

(3)土屋公民館…2030年43%高齢化率が非常に高く、世代間が少ない?このような特徴ある現状を理解し、活かし活動し可能性を見出していかなければいけない。

 

(4)城島公民館…新型コロナ禍の中での情報展開、かなりの高齢化が進んでおり今年度小学生の入学が17人だった。課題は可視化できるので、他地域のモデル地区になっていきたい。

 

 

次回は12月19日(日)13:30~16:30

実践講座1回目「自分たちの地域課題の現状を見つめてみよう」を開催予定。

 

文責 津田

Share